主題と視点が少しずつ移動してるんだな、瞬きや繊細な仕草の一つ一つに持っていかれる開幕。乳の日。
あったなかったどの角度から響くかは人それぞれとして、小物やちょっとした場面と可視化された内面の動きに込められた情報量が凄い。
作品はファンタジーでそれに即したものが扱われるけど、普遍性と共に現代の最新の感覚で鳴らして届けようってのかな。
喜んでほしい、ビックリさせたい、ウラオモテみたいな気持ち。きちんと受け手の方を向いた、人に見せるっていう意識の強い会話の組み方がいい。
舞台セット的な考え方、所々で実験的な映像の作り方がこの話数に合ってる。SEも病的な拘り。
LINEやゲーム画面を通しての層での見せ方も色々と試されて洗練されてきたけれども、これ凄いね。
子供の頃や10代の早い内に、気にかけたり面白がって構ってくれる面白い大人と出会えるかってのは、その人が面白い人間になるのに必要な最低条件の一つだと思うけど、その辺の表現もいい。
知らないふり、上手に騙される、自然と自分からそちらへ進むように導くといったことは大人のたしなみ。
知らないことと、相手の立場になってみないとわからないこと。
そうしたいこと、そうしてあげたいこと、必要なこと、相手がして欲しいこと。規模や深刻さの違いはあれど、想像することからでしか始まらない。
壊せるものの大きさと、手に入れられるものの大きさ。普通ってのが一番難しいんだよね。
誰かに受け入れられたい、信じて欲しいなんて考える人は多いけど、自分から受け入れることと、自分から信じることが先なんだよ。そうやって世界は少しずつよくなっていく。
作中では何がどう見えているか、どこまで現実的なものを取り入れるかといった視点もいい。
イルルと人形のエピソードは「夢」の話かな。最後に女の子の顔を映さなかったのは、それはこの作品を観ているいつかのあなた自身だから。誰に何をどう思われたって、生きてさえいるのなら、いつどこから、どこへだって、いつまでも何度でも始めればいいんだよ
8話のキャプ画像まとめ倉庫「世界に一つだけの(好きな言葉を続けてください)」キャプチャー